【SPXL早期償還!?】米国レバレッジドETFが上場廃止?│SECのデリバティブ取引規制案

2020年3月3日

ゆう(@yu_kabu_life)です。<2020/3/25更新>

お二人の方から立て続けにコメント欄でご質問をいただきました。

米国レバレッジドETFが上場廃止されるのかも?という憶測が広がっているようですね、どうも多くの方が不安になっているように思われました。

ご参考までに僕の考えを記事にしてみたいと思います。僕も実際にSPXLを組み入れたポートフォリオで1,700万円ほど運用しています。

ご質問の内容

ご質問いただいた内容をそのまま転載します。

今回のコロナショックでspxlを買い増ししたのですが、24日までにレバETFの要不要が決まる会議があるとツイッターでありました。
仮に償還が決まったらと思うと、相場が下がるにしても買い下がれないし、どうしたものかと思っているのですが、どう考えるのか教えて下さい。

by 匿名さん

次のご質問です。

3倍レバレッジ商品(SPXL他)が上場廃止になるとゆうような、記事を目にしたのですが・・・
2020/3/24にSECが結論出すとか?!
ゆうさんはどのようにお考えでしょうか??

by りゅうさん

どうも3/24までにレバレッジETFが上場廃止になると噂になっているようですね。

まずはファクトチェックしましょう。

3月24日に米国レバレッジドETFが上場廃止されるって本当?

こちらのツイートを発見しました。

ウォールストリートジャーナルの記事によると3月24日までにレバレッジETF廃止の是非を結論するとのことです。

そのウォールストリートジャーナルの記事がこちらになります。

<記事>Leveraged-ETF Seller Urges Investors to Fight Proposed Regulation

全文だと長くなりますので、要点を抜粋しますね。(翻訳版)

<記事タイトル:レバレッジドETF売り手は、提案された規制と戦うよう投資家に促します>

米国の証券規制提案は、リターンを増幅するためにデリバティブを利用する取引所取引ファンドの市場を揺るがす恐れがあり、それらのファンドのトップセラーは投資家に押し戻すよう促しています。

証券取引委員会は、ブローカーとアドバイザーがレバレッジされたETFを販売する前にクライアントに一連の質問をすることを要求する規則を2019年後半に発表しました。SECによると、クライアントの回答は、投資家がファンドに伴うリスクを理解しているかどうかをアドバイザーが判断するのに役立つと述べています。

ETFマネージャーProSharesのMichael Sapir会長は、提案された規則により、より多くのアドバイザーがレバレッジされたETFの販売を完全に停止する可能性があると述べました。

~ 中略 ~

しかし、多くのマネーマネージャーとブローカーはまだ評価されていません。木曜日までに、この提案はSECのWebサイトにほんの一握りのコメントしか描きませんでした。締め切りは3月24日です。

SEC(米国証券取引委員会)のWEBサイト上で3月24日までに、ある提案に関してコメントを募集しているということです。

ではSECのサイトで「提案」というものを見てみましょう。下記にリンクを貼っておきます。

<SCE提案>SEC提案規則アーカイブ:2019

該当の「提案」なるものはリンクのページにある「No.34-87607」のデリバティブ取引規制改革案のことを指しています。図1です。

(図1)34-87607:デリバティブ取引規制改革案

 

まず、3月24日までにレバレッジド・インバースETFが上場廃止になる可能性はないということが分かりましたね。3月24日というのはコメントの締め切り日ということです。

そのコメントを受けてSECがどのように判断していくかということが問題です。その後の経過を守っていく必要がありますね。

では中身を見ていきましょう。

米国レバレッジド・インバースETFの取引規制案とは

規制案を読んでみると、冒頭に「規則18f-4」というものがこの規制改革案の骨子になっていると述べられています。

そして同時にこれは「再度提案」されたものであると書かれています。以前に提案されたことがあるということですね。

詳しく解説して下さっている記事がありましたのでご紹介します。野村資本市場クォータリーの日本人の専門家が解説していますので、この記事を見るとが分かりやすいですよ。

<記事>米国SECによる投信・ETFのデリバティブ取引規制改革案

こちらの記事を読んでみると分かる通り、実は「規則18f-4」という提案は2015年12月にも提起されたことがあり、翌2016年3月までにコメントを募集していた経緯があります。

2016年当時の経緯は調べていませんけれど、結果として採択されず持ち越しとなっています。そして今回2019年11月に再度提案されたというのが大きな流れですね。

内容としては細かくは省きますけれど、要するにレバレッジをきかせすぎた商品は市場にとって良くないのでレバレッジを抑えようという主旨になっています。

SPXLはディレクション社の販売している商品になりますけれど、高レバレッジ商品を扱うもう1社であるプロシェアーズは当時この提案が採択されても2倍のレバレッジド・インバースETFは運用継続できると表明しています。

野村資本市場クォータリーの見解によると、この提案がそのまま採択されれば販売元はレバレッジを1.5倍に縮小したり、商品をETNに変更したり、償還するなどの選択を迫られるということです。

要するに提案がそのまま採択されればSPXLは運用維持できませんので何らかの投資行動はしなければならないということですね。

これらを踏まえて僕がどう考えるかということですけれど、まず時間軸では焦らなくてよいと思います。

3月24日はコメントの募集期限であって、決定されるのはまだ先のこと、更に実際に施行されるのはもっと先のことになるでしょう。

仮に償還されたとしてもSPXLはS&P500種指数に連動していますので、その時点のS&P500に連動した価格で売却することができます。

上場廃止が決まった途端に個別株のように株価が下落したり、もしくは紙屑のように無価値になってしまうのではありませんから、取り立てて焦る必要はないと思います。

もし仮にSPXLが廃止ということになれば、こちらの僕が実践しているSPXLリスクコントロール・ポートフォリオは継続できませんね。

となれば別の手法を考えなくてはなりません。例えば、2倍レバレッジの商品や1.5倍レバレッジの商品を活用したリスクコントロール・ポートフォリオなど。短絡的ですけれど案外良いかもしれませんね。

つまり「規則18f-4」が施行されるタイミングまでに、別の金融商品を用いたより良いポートフォリオを考えて切り替えれば良いだけだと思います。

SPXLを主軸に資産形成を考えている人であれば戦略の変更を余儀なくされますので、心配であれば先に別の金融商品を使った手法を見つけておいたほうが安心ですよね。今のうちに考えておくのも良いでしょう。

ただ僕としては廃止が決まってから考えても遅くないかなと思いますね。それまでは特に気にすることなく今まで通りSPXLを用いて資産運用していれば良いのではないでしょうか。

何か具体的な金融商品や運用手法の紹介にはなりませんので恐縮ですけれど、これをもって回答とさせていただきますね。

(2020/3/6追記)NISA口座で保有している場合に償還されると非課税枠の再利用ができないはずだと思います。NISAはまだしも、ジュニアNISAは長い非課税期間が残っているようだと痛手になりそうですね。

【3/23追記】ディレクション社が複数ETFを償還または倍率調整(3倍→2倍)

残念なお知らせです。

spxlを扱うディレクション社において、複数のレバレッジド・インバースETFが償還または倍率調整(3倍→2倍)となるようです。

コメント欄でけだまさんから情報提供いただきました。ありがとうございます。

ソースはこちらです。

<リンク>ディレクション社の告知ページ

ディレクション社の発表によると今回の主旨は以下のように新型コロナと原油ショックの影響によるものとのこと。

 COVID-19のパンデミックおよび原油価格戦争の影響により、グローバル市場全体で最近かつかつてないほどのボラティリティが、エネルギーおよび商品市場での明示的および暗黙的な取引コストを劇的に増加させました。ボラティリティはある時点で落ち着きますが、これらの市場に費用効果的かつ効率的にアクセスする能力は、しばらくの間、挑戦され続ける可能性があります。

株主の最善の利益を考慮して、Direxion Shares ETF Trustの理事会は、10のレバレッジされたETFの名前、投資目的、および投資戦略の変更を承認しました。

図2にある10のETFが、2020年5月19日から倍率調整(3倍→2倍)が適用されるとあります。

(図2)倍率調整ETF(3倍→2倍)

図3の8つのETFが償還とあります。2020年3月27日取引終了時点で投資家による購入受付を終了し、2020年4月6日まで特定の売却することができるようですね。

(図3)償還対象

この新型コロナによるパニック相場中に数多くの償還が発生してしまったことも衝撃的ですけれど、まさか償還までいかずとも倍率を下げてくるETFがあるとは予想外の展開です。

暴落しきったところに3倍→2倍にされてしまっては回復力が落ちてしまいますので、償還されなければ大丈夫とも考えられなくなりますね。

SPXLについては資産規模も一定あり何よりSP500連動になりますので、早々に同じような事態にはならないと思いますが、予断は許しませんね。

そして大変残念なことですが、まさにSECがレバレッジド・インバースETFの規制案を提案している最中に、このような前例が出てしまったことは、少なからずSECの決定に影響を及ぼすかもしれませんね。

【3/24追記】SECレバ規制案の最終措置延期 3/24→4/24

本日3/24期限でSECレバ規制案のコメント募集していましたが、新型コロナ影響により変更のアナウンスがありましたので、追記しておきます。

【3/25追記】市場混乱によるリターン悪化の可能性について

先日3月19日のリターンが指数から大きく乖離しているからおかしいなと思っていたのですが、3月17日付でSPXLの投資目論見書に「今の高ボラティリティではリターンが悪化する可能性あります」という主旨の警告文が掲載されていました。図4の内容です。


(図4)SPXL投資目論見書

そこで直近3月がSP500に対してSPXLがどれくらいの日次倍率を推移しているか確認してみました。図5です。

(図5)2020年3月のSPXL日次倍率

日々のリターンが大きく劣後していくようなら問題ですけれど、飛びぬけて大きく乖離していたのは3/19だけで、それ以外は若干悪化しているかなという印象。

償還や倍率調整(3倍→2倍)から比べたら大したことありませんので、まぁ許容範囲かなという風に思いますけれど、しばらくパフォーマンスはウォッチしていく必要がありそうですね。

今後の投資方針について

目まぐるしい状況変化がありましたので、3月24日現在の僕の個人的なレバレッジ投資方針について考えを書き記してしておきたいと思います。

spxlはSP500連動で、且つ今なお資産規模8.7億ドルの大型ETFですから、今回ディレクション社から発表のあったような一斉償還に含まれる恐れるはないと思います。

ただSECのレバ規制案により3倍→2倍が現実味を帯びてきましたね。

僕は幸いにもspxlリスクコントロール・ポートフォリオを組んでますので暴落し切ってからの倍率低下にも柔軟に対応できそうです。

spxlリスクコントロール・ポートフォリオとは、spxlとキャッシュを50:50でレバ1.5倍に抑制しながら、定期リバランスによってパフォーマンスを上げていく運用手法です。これですね。

<リンク>SPXLリスクコントロール・ポートフォリオ

なので、もしも暴落しきったところで3倍→2倍に倍率低下措置を食らってしまっても、構成比率を75:25に調整すれば倍率1.5倍を保てますので相場の回復期にも支障なさそうです。

その後ある程度相場が回復した段階で比率を元に戻すなど対応してもよいかもしれません。

もし今回とったディレクション社の措置に習って、SECレバ規制案の措置も3倍→2倍への倍率調整だけで済むということになれば、ある意味ではSECに2倍は問題ないですよ、とお墨付きを得たようなもの。そうなれば2倍レバを前提にポートフォリオを組んでおけば良さそうですね。

思わぬ急展開になってしまいましたね。償還さえなければレバ低下に対応できる運用をしていれば、それほど深刻な問題ではないかもしれません。

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