SPXLの投資機会と早期償還リスクを考える ~ブログ紹介〜

2019年6月7日

ゆう(@yu_kabu_life)です。

"ぶち子さん"の愛称で皆から親しまれている、米国株ブログ村のアイドルこと退職金ぶちこみ太郎さんです。

僕なんかがご紹介するまでもないのですけれど、名前は過激的なのに中身は女子、真っすぐ誠実で信念が強く(頑固!?)、とても好感の持てる方ですね。

退職金ぶちこみ太郎さん

僕は固定的に巡回するブログは限られているのですけれど、そんな僕もぶち子さんのブログは立ち上げ当初からファンで、いつも拝見しています。

投資に対する愛は間違いなく米国株ブログ村随一だと思います。

そんなぶち子さんがSPXLに注目されているとのことでしたので、これはと思ってコメントさせていただいたところ、ご丁寧にブログで紹介いただきました。

ありがとうございます。

ぶち子さんのSPXLに関連した考察のご紹介させていただきながら、それを題材に僕が考えたことを少し書いてみたいと思います。

一生に一度だけ絶好のチャンスがあれば良い

SPXL投資に関する、ぶち子さんのお考えを引用させていただきます。

「人生で一度だけ、絶好のチャンスがあれば良い」

カッコイイですね!

人生で一度あるかないかということですから、おそらく直近高値から-93%を記録したリーマンショック級の超大暴落、もしくはそれに近い水準まで下げたら投資を考えるイメージかと推察しました。

投資は安値で拾えるのが一番です。

ぶち子さんのように自分の投資スタイルを持っている投資家は敢えてSPXLに固執する必要もありませんし、それで良いのだと思います。

少し調べてみました。

SPXLが設定された2008年以来、直近1年高値から-50%以上の下落を記録したのはリーマンショックも含めて3回だけです。

  • 1回目は、リーマンショックですね、-93%までの超大暴落を喫しています。
  • 2回目は、2011/10/3で直近高値から-53.8%です。-50%を超えて下落したのは僅か2日間のみで、その約11ヵ月月後に0%まで回復しています。
  • 3回目は、2018/12/24で直近高値から-50.3%です。僕は勝手にパウエルショックと名付けていますが、記憶に新しい大暴落ですね。これも-50%を超えて下落したのは僅か1日のみでした。

このようにみると、リーマンショック級の-70%を超える暴落を待っていると本当になかなか投資できそうにありませんね。

昨年末の-50%という暴落時は、S&P500が-20%の弱気相場入りが間近になると戦々恐々とした雰囲気がありました。あの時は更に暴落してリーマンショック級まで発展していくのか分かりませんでしたからね。

-50%水準の暴落を待っていた投資家にとっては実に7年ぶりの待ちに待った投資機会だったと思いますけれど、あまり大儲けしたという話は聞きません。むしろ損切する人が多かったように思います。

僕も相場のボトムでは予め決めたルール通りリバランスによる買い増ししたくらいでヒヤヒヤしてましたので、結構あった待機資金を投下することまでは出来ませんでした。

暴落を拾うというのは、聞くは易し行うは難しということですね。

そもそも、なぜ暴落時に拾いたいかというと、その後に値上がりする期待が大きいからかなと思います。

であるならば、やはり僕としては高い確率で値上がりすることが期待できる逆イールドを投資機会に検討したいところですね。

実に約14年ぶりに米国債10年-2年の逆イールドが発現しそうな状況になってきています。

逆イールドがなぜチャンスなのかということは、こちらの記事をご覧いただければと思います。

【170年の歴史】リセッションとS&P500と逆イールド→適切な投資行動を考える

ゆう(@yu_kabu_life)です。 「景気後退期は近いの?」「リセッションで株価は暴落するの?」「リセッションの最適な投資行動を知りたい」「逆イールドカーブって何?」「米国債3ヵ月物の逆イールド ...

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SPXLの早期償還リスク

こちらもぶち子さんの記事から引用させていただきました。

いわゆる一撃死のリスクですね。

レバレッジやインバースのETFに投資されるならば、まず恐れるリスクだと思います。

1日で評価額が0円になったり、早期償還されでもしたら目も当てられませんからね。昨年償還されたVIXインバースも想起されることと思います。

では、僕が考えるSPXLの償還リスクについて書いてみますね。

まず第一に、サーキットブレーカー制度によって一撃死しないように仕組みとして守られているという安心があります。

日本では1日の値幅制限としてストップ高、ストップ安がありますよね。それと同じ主旨の仕組みが米国にもあります。

サーキットブレーカー制度というのは米国証券取引委員会(SEC)によって決められている制度になっていまして、そもそも制度ができたのは1987年10月19日に発生したブラックマンデーで1日に-20%超もの暴落が起きたことが切っ掛けです。

そして直近では2012年に制度が改定されていて、より安全な仕組みに改善されています。

発動条件としては、S&P500が前日終値から7%(レベル1)、13%(レベル2)、および20%(レベル3)低下したときに発動します。

15時25分より前にレベル1の下落が引き起こされると15分間市場全体の取引が停止されます。レベル1発動後にさらに下落してレベル2に至った場合は、また15分停止されます。レベル3に至るとその日の取引は全停止となります。

サーキットブレーカーは過去にも度々発動されていまして、きちんと機能していることが確認されています。

ということで、S&P500が下げるのは1日で最大-20%ということですね。

SPXLは大体S&P500の値動きの2.9倍前後(実はあまり3倍にはならない)ですから、最大でも-58%前後になるかと思います。

第二には、過去70年のS&Pの株価推移から、1日の値動きが-20%レベルになる可能性は極めて低いという事実があります。

下表は1950年から2019年6月6日までのS&P500の前日比ワースト10です。

1987年のブラックマンデーを除けば-10%を超えて下落したことはありませんね。最悪でも-9%程度で済んでいます。

Date前日比
1987/10/19-20.47%
2008/10/15-9.03%
2008/12/1-8.93%
2008/9/29-8.81%
1987/10/26-8.28%
2008/10/9-7.62%
1997/10/27-6.87%
1998/8/31-6.80%
1988/1/8-6.77%
2008/11/20-6.71%

では1日で一撃死はなさそうだけれど、2日・3日と続落したらどうなの?という心配が出てきますよね。

下表はS&P500の2日続落の騰落率ワースト10です。

Date2日続落
1987/10/19-25.63%
1987/10/20-15.13%
2008/11/20-12.83%
2008/11/6-10.29%
2008/10/7-9.59%
2008/10/15-9.57%
2008/10/22-9.18%
2008/10/10-8.79%
2008/10/9-8.75%
1962/5/28-8.57%

下表はS&P500の3日続落の騰落率ワースト10です。

Date3日続落
1987/10/19-27.97%
1987/10/20-20.29%
2008/10/9-14.49%
1987/10/26-12.21%
1998/8/31-12.12%
2008/11/20-11.84%
2011/8/8-11.50%
2008/10/7-10.94%
2008/10/8-10.72%

例えば、-7%づつ3日間かけてS&P500が-21%下落したとして、SPXLが2.9倍の値動きをした場合は下表のようになります。

S&P500前日比評価額リターン
0日目-100万円
1日目-7.0%93.0万円-7.0%
2日目-7.0%86.5万円-13.5%
3日目-7.0%80.4万円-19.6%
SPXL前日比評価額リターン
0日目-100万円
1日目-20.3%79.7万円-20.3%
2日目-20.3%63.5万円-36.5%
3日目-20.3%50.6万円-49.4%

S&P500が3日目に-19.6%なのに対して、SPXLは-49.4%ですからS&P500の2.5倍程度ですね。2.9倍にはなりません。

福利の効果でS&P500とSPXLのリターンは乖離が小さくなっていくということですね。

なぜ乖離が小さくなっていくのかの仕組みは以下の記事を参考にしていただけます。

【レバレッジETF減価編】SPXLリスクコントロール・ポートフォリオ

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過去70年の歴史でみる最悪のケースでもこのような結果です。

僕としてはサーキットブレーカー制度とS&P500歴史が示す実績から考えれば、評価額が0円になったり早期償還は心配しなくて良いかなと思います。

S&P500に連動するETFだからこその安心感ですね

こんな記事も書いてます

僕はやはりSPXLリスクコントロール・ポートフォリオ押しですけれどね。

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