100万円を1億円に増やす方法│株投資のリスク・リターンと期待利回り

投稿日:2019年3月1日 更新日:

ゆう(@yu_kabu_life)です。

「20年位かければ何となく100万円を1億円にできそう」「利回り20%なら何となくできそう」「100万円を1億円にする方法論を知りたい」←こんな人に参考になる記事です。

今回は「リスク・リターン」「期待利回り」についてお伝えします。

それでは、以下ご覧ください。

【問題】利回り20%で100万円を1億円に増やせる?

早速ですが、問題です。

はてな

利回り20%で100万円を1億円に増やせると思いますか?(YES/NO)

1年で100万円を1,000万円なんて出来るワケがありません。しかし、1年で100万円を120万円にすれば良いと聞くと何となくできそうな気がしませんか?

まず今年の目標は無理せず120万円で良いでしょう。これは年利回り20%ということになりますが、何となく手に届きそうな数字に見えると思います。

100万円を元本追加なしで1億円にしようと思うと下表のようになります。

利回り20%25%30%
5年221万円264万円314万円
10年475万円677万円951万円
15年1,024万円1,734万円2,883万円
20年2,206万円4,445万円8,738万円
25年4,751万円11,392万円26,485万円
30年10,234万円29,198万円80,273万円

いかがでしょうか?

それでは、この問題について考えてみたいと思います。

株式投資の神様ウォーレン・バフェットの利回り

株式投資について興味をお持ちの方であれば、世界有数の資産家であり株式投資の神様ウォーレン・バフェットのことを一度は耳にしたことがあると思います。

そのバフェットの利回りを確認してみます。下図はウォーレンバフェット率いるバークシャーハサウェイが決算発表の際に毎年公表している「株主の手紙」に掲載されているこれまでの利回り実績です。

<出所>バークシャーハサウェイ「株主への手紙」

株投資の神様バフェットですら利回り20.5%(1965年-2018年)です。もし仮に今後30年間に渡って利回り20%で資産運用することが実現できるというのならば、それは世界に誇れる水準の優れた運用成績ということになります。

1年で1.2倍(利回り20%)の成績を叩き出し続けることは非常に難易度が高く、そのような境地に辿りつけるのは極僅かの恵まれた人に限られるのが現実です。利回り20%という境地を目指す投資は、大半の個人投資家にとってほとんど自殺行為と言えます。

なぜなら、株式投資においてリターンとリスクは表裏一体のものだからです。大きなリターンを狙いにいけば、大きなリスクをとらざるを得なくなります。利回り20%という大き過ぎるリターンを狙いに行けば失敗する可能性が高いということです。

例えば、破産リスクの高い多重債務者に貸し付けている消費者金融の借入利率ですら18%程度であったり、元本割れの可能性が10%もあるソーシャルレンディングでも利回り10%程度など、他の金融経済を見回してみても如何に20%の利回りが高すぎるかということは分かります。

利回り20%なんて大したことないと感じる人は、デイトレードやパチンコや競馬のような投機(ギャンブル)と同じ感覚で捉えているのかもしれませんけれど、資産運用と混同すると大変なことになります。

過去69年間のS&P500利回りデータ<1950年~2019年>

将来のための資産形成として株投資するのであれば、高確率で資産を増大することのできる高い再現性が求められます。

では、資産形成で期待すべき利回り水準とは、どの程度でしょうか?

下図をご覧ください。米国株式市場の代表的な指数であるS&P500の1950年~2019年の株価データをもとに算出しています。配当再投資は考慮していません。

投資開始日投資終了日利回り元本100万円の場合
1950/1/31980/1/26.4%635万円
1951/1/21981/1/26.5%656万円
1952/1/21982/1/45.6%516万円
1953/1/21983/1/35.7%521万円
1954/1/41984/1/36.5%657万円
1955/1/31985/1/25.1%450万円
1956/1/31986/1/25.2%464万円
1957/1/21987/1/25.7%533万円
1958/1/21988/1/46.4%635万円
1959/1/21989/1/35.5%497万円
1960/1/41990/1/26.2%600万円
1961/1/31991/1/26.0%567万円
1962/1/21992/1/26.1%588万円
1963/1/21993/1/46.7%694万円
1964/1/21994/1/36.3%617万円
1965/1/41995/1/35.8%545万円
1966/1/31996/1/26.6%673万円
1967/1/31997/1/27.7%917万円
1968/1/21998/1/28.0%1,015万円
1969/1/21999/1/48.6%1,182万円
1970/1/22000/1/39.6%1,565万円
1971/1/42001/1/29.2%1,408万円
1972/1/32002/1/28.4%1,136万円
1973/1/22003/1/27.0%763万円
1974/1/22004/1/28.4%1,135万円
1975/1/22005/1/39.9%1,712万円
1976/1/22006/1/39.2%1,396万円
1977/1/32007/1/39.0%1,324万円
1978/1/32008/1/29.5%1,542万円
1979/1/22009/1/27.8%963万円
1980/1/22010/1/48.2%1,071万円
1981/1/22011/1/37.7%933万円
1982/1/42012/1/38.1%1,040万円
1983/1/32013/1/28.2%1,057万円
1984/1/32014/1/28.4%1,117万円
1985/1/22015/1/28.8%1,245万円
1986/1/22016/1/47.8%960万円
1987/1/22017/1/37.7%916万円
1988/1/42018/1/28.2%1,053万円
1989/1/32019/1/27.6%912万円

この表の見方は、例えば「1950年1月3日に投資開始したら、1980年1月2日までの30年間は利回りが6.4%で、当初100万円だった資金が635万円になっていた」と読み取っていただければと思います。

1950年~1989年からそれぞれ30年間投資した40サンプルにおける利回りは平均7.4%であったことが分かります。最も低かった利回りは5.1%でした。過半数のアクティブファンドでS&P500よりもパフォーマンスが劣っているという事実を踏まえると、個人投資家が資産形成のベースにすべき利回りの水準は5.1%程度と考えておくのが妥当でしょう。

100万円を1億円にする株投資とは

結論を申し上げると、100万円を1億円にできるほど現実は甘くありません。ギャンブルをやるつもりでもなければ、そのような投機的な考え方は改めた方が賢明です。

下表をご覧ください。利回り5.1%で元本100万円のみを運用した場合と、元本100万円にプラスして積立投資した場合の比較です。

積立投資の金額は年齢を重ねるごとに増やす前提で算出しています。(23歳~29歳は36万円/年、30歳~39歳は60万円/年、40歳~60歳は80万円/年、60歳で積立終了)

経過年月年齢①100万円のみ②100万円+積立投資
0年目23歳100万円100万円
5年目28歳128万円328万円
10年目33歳165万円697万円
15年目38歳212万円1,228万円
20年目43歳273万円1,986万円
25年目48歳350万円3,017万円
30年目53歳450万円4,342万円
35年目58歳578万円6,044万円
40年目63歳743万円8,059万円
45年目68歳955万円10,355万円

なお、配当再投資は考慮していません。売却時には譲渡税が約20%引かれます。

「②100万円+積立投資」の列を見てみると、元本100万円に加えて積立投資を堅実に頑張って、ようやく68歳頃に1億円が見えてくる計算です。若いうちから毎月3万円の積立投資は大変だと思いますけれど、これ位は頑張らなければ現実的ではないということです。

「①100万円のみ」の列を見てみると、68歳時点で955万円となっています。「100万円がなくなる覚悟で一か八か1億円を目指そう」と考える人もいるかもしれませんけれど、その100万円は本来老後資金として手に入るはずの955万円であることを忘れてはなりません。

今手元にある100万円で利回り20%を目指すリスクの高い投資で散財する行為は、将来手にすることのできるはずだった955万円をドブに捨てる行為と等しいということです。

もちろん才能と幸運に恵まれればドブに捨てることにはならないかもしれません。しかし、幾千幾万の屍の上に立つ成功者の言う言葉に熱中して自分もできると思っているのだとしたら、それは勘違いです。

おしまいに。

実は、問題文はTwitterフォロワーが数万人もいる某有名ブログから引用させていただきました。多くの読者が問題文の記事を参考に利回り20%以上を目指していることでしょう。

世の中には、故意にリスクの高い株投資を誘導したり、もしくは意図的ではないとしても読者をミスリードする金融情報が溢れています。読者側には自分の身を守るために情報の良し悪しを判断することのできる金融リテラシーが必須です。

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